尿道が痛い・排尿時にしみる原因は?男性に多い性病と受診の目安を解説

排尿時にしみる、尿道が痛い——そんな症状があると「性病かもしれない」と不安になる方は多いと思います。実際、男性の尿道痛の原因としてはクラミジア感染症や淋菌感染症などの性感染症が関与していることも少なくありません。

本記事では、尿道の痛みや排尿時のしみる症状について、考えられる原因から受診の目安、検査・治療の流れまでを医師の視点でわかりやすく解説します。

目次

尿道が痛い・排尿時にしみるときに考えられる原因

尿道が痛い・排尿時にしみる症状は、性感染症(性病)による尿道炎が原因となっているケースが多いです。特にクラミジア感染症や淋菌感染症は代表的で、軽い違和感から強い痛みまで幅があります。

一方で、一般細菌による尿道炎や前立腺炎、性行為や摩擦による刺激などが原因となる場合もあります。いずれにしても、痛みが続く場合や性行為後に症状が出た場合は、早めに検査を受けることが重要です。

男性の尿道痛の主な原因

性感染症(クラミジア・淋菌など)

クラミジア感染症や淋菌感染症では、病原体が尿道上皮に侵入し、局所で炎症性サイトカインが放出されます。これにより上皮の微細な損傷と神経終末の感作が起こり、尿が通過する際に化学的刺激+物理的刺激として痛みが増幅されます。特に淋菌は好中球反応が強く、膿性分泌物を伴い強い疼痛を生じやすいのが特徴です。

日本で最も多い性感染症の2つです。

尿道炎(非淋菌性・一般細菌)

マイコプラズマやウレアプラズマ、腸内細菌などによる尿道炎では、菌そのものの悪さよりも持続的な低度炎症が主体となります。上皮バリアが障害されることで尿中の尿素や塩類が直接刺激となり、ヒリヒリとした痛みや違和感が生じます。炎症が軽いため症状は断続的になりやすく、「治ったり悪化したり」を繰り返すのが特徴です。

前立腺炎・膀胱炎

前立腺や膀胱に炎症が及ぶと、尿道単独ではなく排尿経路全体の知覚過敏が起こります。炎症により粘膜の浮腫や血流増加が生じ、排尿時の圧変化や尿の通過が痛覚として認識されます。特に前立腺炎では神経分布が複雑なため、尿道痛に加えて会陰部や下腹部への放散痛を伴うことがあります。

性器の先っぽ(尿道)だけでなく、奥や広い範囲に痛みが広がります。

物理的刺激(性行為・摩擦・乾燥)

強い摩擦や乾燥した状態での性行為により、尿道口まわりの皮膚や粘膜に小さな傷がつくことがあります。この傷のせいで神経が敏感になり、尿が触れるとしみるような痛みを感じます。感染がなければ多くは数日で自然に改善しますが、傷ついた部分から細菌が入り、尿道炎につながる可能性もあるため注意が必要です。

性病が原因の場合に多い症状

排尿時の痛み・しみる感じ

尿道の粘膜に炎症が起こると、尿が通るたびに刺激となり、ヒリヒリ・しみるような痛みを感じます。特に排尿の最初に強く出ることが多く、「少し違和感がある程度」から始まり、徐々に痛みがはっきりしてくるケースもあります。軽症だと見過ごされやすいのが特徴です。

尿道のかゆみ・違和感

明確な痛みではなく、ムズムズするようなかゆみや違和感として感じることもあります。これは炎症によって神経が過敏になっているためで、安静時や排尿前後に気づくことが多いです。初期のクラミジア感染症では、このような軽い症状だけのこともあります。

この状態でもクラミジア・淋菌陽性の方は多くいらっしゃいます。

尿道からの分泌物(膿)

尿道から白色〜黄色の分泌物(膿)が出る場合は、感染による炎症が進んでいるサインです。特に淋菌感染症では量が多く、粘り気のある膿がはっきり出ることがあります。一方でクラミジアでは少量で気づきにくいこともあります。

黄色の膿が尿道から出ていれば、淋菌の可能性が高くなります。

症状が軽い・出たり消えたりするケース

クラミジアなどでは炎症が比較的弱く、症状がはっきりしないことがあります。「少し違和感があるが気にしない程度」「数日で良くなった気がする」といった経過をたどることもありますが、実際には感染が持続していることがあり、放置は感染拡大の原因になります。

軽症である事は性感染症が知らず知らずのうちに広がる理由でもあります。特定のパートナーがいる場合、トラブルのリスクにもなりますので一度そういった症状がある場合は検査をすることを推奨しています。

放置するとどうなる?(合併症とリスク)

精巣上体炎と不妊リスク

感染が尿道にとどまらず、精巣上体へ広がると精巣上体炎を発症します。陰嚢の腫れや強い痛み、発熱を伴い、日常生活に支障をきたすこともあります。炎症が進行すると精管の通過障害や精子機能の低下を招き、将来的な不妊につながる可能性もあります。軽い症状でも早期治療が重要です。

パートナーへの感染拡大

自覚症状が軽い、あるいは一時的に落ち着いたとしても、感染は持続していることがあります。その状態で性行為を行うと、パートナーに感染が広がるリスクがあります。相手が無症状のまま感染を保持し、再感染(ピンポン感染)を繰り返すケースも少なくありません。自分だけでなく、パートナーを守るためにも早期検査・治療が重要です。

症状の慢性化

適切な治療を行わずに放置すると、炎症が長引き、痛みや違和感が慢性的に続くことがあります。急性期の強い症状が落ち着いた後も、「なんとなく違和感が残る」「排尿時に軽くしみる」といった状態が続くケースもあります。慢性化すると治療に時間がかかることもあり、早期の対応が回復を早めるポイントとなります。

当院でよくあるパターン

淋菌(20代男性)

  • 数日前にコンドームなしで性行為があり、その2〜3日後から排尿時の強い痛みを自覚
  • 翌日には尿道から黄色〜黄緑色の膿が出るようになり、違和感が急速に悪化して受診
  • 検査で淋菌感染症が判明し、抗菌薬治療を開始
  • 症状が強く進行も早いため、「明らかにおかしい」と自覚して比較的早期に受診に至ったケース

痛くて生活に支障をきたしていました…

淋菌・クラミジア同時(30代男性)

  • 数週間前の性行為後から、軽い尿道の違和感やかゆみを自覚するも放置
  • 症状は強くないため様子を見ていたが、徐々に排尿時のしみる感じが出現し
  • 時々白っぽい分泌物にも気づくようになる
  • 違和感が長引くため受診し、検査で淋菌感染症とクラミジア感染症の混合感染が判明
  • クラミジア由来の軽い症状に淋菌が重なり、気づきにくく受診が遅れやすい典型例

淋菌だけかと思ってたらクラミジアにも罹っていました

どのタイミングで受診すべきか(受診の目安)

尿道の痛みや排尿時のしみる症状がある場合、症状が出た時点で受診を検討するのが基本です。特に、排尿時の痛みが続く、尿道から分泌物(膿)が出る、性行為後に症状が出たといった場合は、性感染症の可能性があるため早めの検査が重要です。

また、「軽い違和感だけだから様子を見よう」と考えがちですが、クラミジア感染症などは症状が軽くても感染が持続していることがあります。数日で改善しない場合や症状が繰り返す場合も受診の目安です。

検査方法と結果が出るまでの時間

尿検査(クラミジア・淋菌)

検査方法は医療機関によって様々ですが、多くの医療機関では「外注PCR検査」を行なっています。当院では、外注PCR検査に加え、GeneXpertシステムによる院内即日迅速検査を行う事が可能です。

GeneXpert System外注PCR検査抗原迅速検査培養検査
判定までの時間約90分1〜3日数分〜30分数日〜1週間
精度非常に高い非常に高い中程度中〜高(条件依存)
検査方法院内PCR(自動)外部ラボで解析抗原検出菌を培養
メリット即日結果・高精度・その場で完結高精度・対応項目が多いすぐ結果が出る・安価薬剤感受性がわかる
デメリット導入コストが高い結果まで時間がかかる見逃しあり時間がかかる・手間が多い

咽頭検査が必要なケース

性器の症状が強くても、咽頭クラミジア・咽頭淋菌の検査も併せて行なった方がいい場合があります。

  • 性行為でディープキスを行なっている
  • 相手女性が性器クラミジア陽性(咽頭も陽性リスク高い)
  • 性行為後に喉の違和感・イガイガする感じが継続
  • 定期的なスクリーニング

治療方法について(原因別)

代表的なクラミジアと淋菌の治療方法を紹介します。

クラミジア淋菌
治療薬アジスロマイシン250mg 4錠1回
ドキシサイクリン100mg 1日2錠 7日間
セフトリアキソン1g
種類内服薬点滴

その他の尿道炎の治療

非淋菌性尿道炎の原因として、マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症が知られています。この菌は一般的な抗菌薬が効きにくいことがあり、まずドキシサイクリンなどを使用し、効果不十分な場合はモキシフロキサシンなど別系統の抗菌薬へ切り替えることが検討されます。耐性菌の問題もあり、症状や検査結果に応じた治療選択が重要です。

一方、ウレアプラズマ感染や一般細菌が検出された場合でも、症状が乏しい場合には必ずしも治療が必要とは限りません。これらは常在菌として存在することもあり、症状との関連を慎重に判断することが重要です。過剰な抗菌薬使用は耐性化の原因となるため、医師の判断のもと適切に対応する必要があります。

当院での検査・診療について

東京検査クリニック五反田院での提供体制

  • GeneXpertによる迅速PCR検査に対応
  • 五反田駅から徒歩2分の好立地
  • 夜21時まで診療(仕事帰りにも対応)
  • 土日も診療(平日が忙しい方でも受診可能)
  • 最短当日で結果確認が可能

当院は、性感染症に特化したクリニックであり、不安を抱える方でも通いやすいクリニックで安心の医療サービスを提供しています。1人でお悩みを抱えている方はぜひ当院に一度ご相談ください。

男性の排尿時痛に関するよくある質問

性病だとしたら自然に治りますか?

いいえ。性感染症の場合はそれ専用の治療が必要になります。

1回の性行為でも感染しますか?

はい。1回の性行為で感染する確率は30-50%程度と言われています。

検査はいつ受ければ正確ですか?

感染機会から最低でも24時間以上は空けてください。偽陰性(感染しているのに検査で陰性となってしまう)が出てしまう恐れがあります。症状があればいつでも受診してください。

まとめ|尿道の痛みは性病の可能性もあるため早めの検査を

尿道の痛みやしみる症状は、クラミジアや淋菌など性病の可能性があります。軽症でも放置せず、早めの検査・受診で早期発見と感染拡大の予防が重要です。

▪️ 参考文献

1)Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1–187.

2)European Association of Urology (EAU). EAU Guidelines on Urological Infections 2023. European Association of Urology Guidelines Office.

3)Workowski KA, Bachmann LH, Chan PA, et al. Sexually transmitted infections treatment guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1–187.

4)日本性感染症学会. 性感染症 診断・治療ガイドライン 2026. 日本性感染症学会誌. 2026.

この記事の執筆者

五反田駅徒歩2分に立地する性感染症に特化したクリニック。完全自費診療で保険証不要、結果はWEBで確認でき、誰にもバレずに安心して受診できます。高精度PCR機器を院内に備え、淋菌・クラミジアの即日迅速検査に対応。その他、HIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎の即日迅速検査が可能。土日を含む、毎日21時まで診療、利便性の高いクリニックです。ED/ピル/アフターピル/デイリータダラフィル/性病予防薬(DoxyPEP)取り扱いあり。「新しいお付き合いがあるからチェックしたい」「性病かも...」などの性のお悩みに対して当院は安心の医療を提供します。

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