性交後に膣が痛い…これって性病?よくある原因と早めに受診すべき症状

性交後に膣が痛い、ヒリヒリする、奥のほうがズキズキする――このような症状があると、「一時的な刺激なのか」「性病の可能性があるのか」と不安になる方も多いです。性交後の痛みは、摩擦や乾燥などによる一時的なものから、膣炎・外陰炎、クラミジアや淋菌などの性感染症まで、さまざまな原因で起こります。
特に、痛みが数日続く、おりものの量やにおいが変わった、不正出血がある、下腹部痛を伴う場合は、感染症や炎症が隠れている可能性があります。症状が軽くても、性感染症は自覚症状が少ないまま進行したり、パートナーに感染を広げたりすることもあります。
この記事では、性交後に膣が痛くなる主な原因、性病との関係、早めに受診すべき症状の目安についてわかりやすく解説します。違和感が続く場合や不安がある場合は、我慢せず早めに検査を受けることが大切です。

性交後に膣が痛くなる主な原因
摩擦や乾燥によるヒリヒリ感
性交後の膣の痛みで比較的多いのが、摩擦や乾燥による刺激です。十分に潤っていない状態で性交が続くと、膣の入口や外陰部の皮膚・粘膜に細かい傷ができ、ヒリヒリ感やしみる感じが出ることがあります。体調不良、緊張、睡眠不足、ホルモンバランスの変化などで潤いが少なくなることもあります。一時的な痛みで数日以内に改善する場合もありますが、繰り返す場合は炎症や感染症が隠れていないか確認が必要です。
膣炎・外陰炎による痛みやしみる感じ
膣や外陰部に炎症があると、性交時の刺激で痛みやしみる感じが強く出ることがあります。膣炎・外陰炎は、感染だけでなく、蒸れ、洗いすぎ、石鹸やナプキンによる刺激、下着との摩擦などでも起こります。赤み、かゆみ、腫れ、ヒリヒリ感を伴うこともあります。性交後に毎回痛む、排尿時にしみる、外陰部が赤いといった症状がある場合は、単なる摩擦ではなく炎症が続いている可能性があります。
カンジダ・細菌性膣症などによる炎症
カンジダや細菌性膣症は、女性の膣トラブルとしてよくみられる原因です。カンジダでは強いかゆみ、ヒリヒリ感、白くポロポロしたおりものが出ることがあります。細菌性膣症では、魚のようなにおい、灰白色のおりもの、違和感が目立つことがあります。これらの状態では膣内の環境が乱れて粘膜が敏感になり、性交後に痛みを感じやすくなります。症状だけで見分けるのは難しいため、検査や診察で確認することが大切です。
クラミジア・淋菌などの性感染症
クラミジアや淋菌などの性感染症でも、性交後の膣の痛みや違和感が起こることがあります。女性では症状が軽い、または無症状のことも多く、気づかないまま子宮頸管炎を起こしている場合があります。おりものの増加、不正出血、下腹部痛、性交時痛がある場合は注意が必要です。特に新しいパートナーがいる、コンドームなしの性交があった、パートナーに症状がある場合は、痛みが軽くても性感染症検査を検討しましょう。
子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患による奥の痛み
膣の入口ではなく、性交中や性交後に「奥が痛い」「下腹部がズキズキする」と感じる場合は、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患が関係していることがあります。クラミジアや淋菌などが子宮頸管から子宮・卵管周囲へ広がると、下腹部痛、発熱、不正出血、強い性交痛を伴うことがあります。放置すると炎症が悪化し、不妊や慢性的な骨盤痛につながる可能性もあるため、奥の痛みが続く場合は早めの受診が必要です。
体調不良・ストレス・ホルモン変化による違和感
性交後の痛みや違和感は、感染症だけでなく、体調やホルモンバランスの影響でも起こります。疲労、睡眠不足、ストレスが強いと、潤いが不足したり、痛みに敏感になったりすることがあります。また、生理前後、授乳中、更年期、ピル内服中などはホルモン変化により膣の乾燥や違和感が出やすい場合があります。ただし、体調のせいと思っていても感染症が隠れていることもあるため、症状が続く場合は検査で確認すると安心です。
痛み方で考えられる原因の目安
性交後の膣の痛みは、「どこが痛いか」「どんな痛みか」「ほかにどんな症状があるか」によって、考えられる原因が変わります。入口付近のヒリヒリ感であれば摩擦や乾燥、外陰部の炎症が多い一方で、膣の奥の痛みや下腹部痛を伴う場合は、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患など、より奥の炎症が関係している可能性もあります。
また、排尿時のしみる感じ、かゆみ、おりものの変化、不正出血がある場合は、カンジダ・細菌性膣症・クラミジア・淋菌などの感染症が隠れていることもあります。症状だけで原因を正確に判断するのは難しいため、痛みが続く場合や不安がある場合は、早めに検査を受けることが大切です。
| 痛み方・症状 | 考えられる主な原因 | 特徴・目安 |
|---|---|---|
| 入口付近がヒリヒリ痛い | 摩擦、乾燥、外陰炎、カンジダなど | 性交時の刺激で膣の入口や外陰部に細かい傷ができると、ヒリヒリ感が出やすくなります。 かゆみや赤みを伴う場合は、炎症やカンジダなども考えられます。 |
| 膣の奥がズキズキ痛い | 子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、クラミジア、淋菌など | 奥の痛み、下腹部痛、性交痛がある場合は、子宮頸管や骨盤内の炎症が関係していることがあります。 痛みが続く場合や発熱を伴う場合は早めの受診が必要です。 |
| 排尿時にしみる・かゆみがある | 外陰炎、膣炎、カンジダ、トリコモナス、クラミジア、淋菌など | 排尿時にしみる、ムズムズする、かゆい場合は、外陰部や膣、尿道周囲の炎症が疑われます。 性感染症でも似た症状が出ることがあります。 |
| おりものの色・においがいつもと違う | 細菌性膣症、カンジダ、トリコモナス、クラミジア、淋菌など | おりものが増える、黄色・黄緑色になる、においが強い、白くポロポロするなどの変化は、 膣内環境の乱れや感染症のサインになることがあります。 |
| 出血を伴う | 摩擦による傷、子宮頸管炎、性感染症、子宮頸部ポリープなど | 少量の出血でも、性交後に繰り返す場合は注意が必要です。 クラミジアや淋菌による子宮頸管炎、不正出血の原因となる病気が隠れていることもあります。 |
性交後の膣の痛みで考えられる性感染症
クラミジア
クラミジアは女性では無症状のことも多いですが、子宮頸管に感染すると炎症が起こり、性交時や性交後に膣の奥の痛み、下腹部痛、不正出血を感じることがあります。炎症で粘膜が敏感になり、性交の刺激で痛みが出やすくなります。

淋菌感染症
淋菌感染症は、子宮頸管や膣周囲に強い炎症を起こすことがあります。おりものの増加、黄色っぽいおりもの、排尿時の違和感、不正出血を伴う場合があります。炎症を起こした粘膜に性交の刺激が加わることで、痛みやしみる感じが出やすくなります。

カンジダ
カンジダは、強いかゆみやヒリヒリ感、白くポロポロしたおりものが特徴です。外陰部や膣の粘膜に炎症が起こるため、性交時の摩擦で痛みが強く出ることがあります。入口付近がしみる、赤く腫れる、排尿時にしみる場合もあります。

症状・原因・検査と治療 カンジダは、日本で女性を中心に非常に多く見られる性感染症の一つです。症状が軽い、または無症状のまま経過することも多く、気づかないうちに悪化したり、パートナー…
トリコモナス
トリコモナスは、膣や外陰部に炎症を起こし、泡状のおりもの、黄緑色のおりもの、強いにおい、かゆみを伴うことがあります。膣内が炎症で敏感になっているため、性交後にヒリヒリ感や痛みが出ることがあります。症状が強い場合は早めの検査が必要です。

検査・治療・感染経路・治療 トリコモナス症は、クラミジアや淋菌と同じく尿道炎の原因となる性感染症の一つです。性器同士の接触で感染し、女性では腟炎、男性では尿道の違和感などを引き起こしま…
梅毒などその他の感染症
その他、梅毒では無痛性潰瘍(皮膚がえぐれているような見た目)という所見が有名ですが、痛みを伴うこともあり性器周囲に痛みを伴う硬いしこりや抉れているような部分があれば、梅毒検査が推奨されます。
また、性器ヘルペスではポツポツとした水疱が出現し、ピリピリとした痛みを伴う事があります。性器ヘルペスに罹った事があればご自身でも分かりやすいですが初発の場合は症状も重く、不安に感じたら一度診察、検査を検討ください。
当院でよくあるパターン
カンジダ(20代女性)
- 新しいパートナーとの性交後から、膣の奥がズーンと痛むようになった
- 最初は「少し強く当たっただけかな」と思っいたが、翌日も下腹部に重い違和感が残り、数日たっても改善せず
- おりものも少し増えた気がしましたが、強いかゆみや発熱はなく、受診するか迷っていた
- ネットで調べるうちにクラミジアでも症状が軽いことがあると知り、不安になって来院
- 検査ではクラミジアが陽性で、治療により治癒
- 性交後の痛みが一時的に見えても、数日続く場合や下腹部の違和感を伴う場合は、性感染症が隠れていることがあります

感染してるとは思ってませんでした
トリコモナス(30代女性)
- 性交後から膣の入口付近がヒリヒリするようになり、「乾燥や摩擦のせいかも」と思って様子を見ていた
- 数日後、おりものの量が増え、においも以前より気になるように
- 忙しさもあり受診を先延ばしにしていましたが、黄緑色っぽいおりものが出たことで不安が強くなり来院
- 検査ではトリコモナスが陽性で、治療により治癒
- 痛みの原因は、膣や外陰部に炎症が起きていたためと考えられた
- 性交後の痛みに加えて、おりものの量・色・においの変化がある場合は、我慢せず検査を受けることが大切です



においの相談はしづらかったけど、早く来ればよかった
こんな症状がある場合は早めに検査・受診を


痛みが数日続く
性交後の痛みが数日たっても改善しない場合、一時的な摩擦や刺激だけでなく、膣炎・外陰炎・性感染症などによる炎症が続いている可能性があります。自然に治ると思って放置せず、早めに検査を受けましょう。
性交のたびに痛みを繰り返す
性交のたびに膣の痛みを繰り返す場合、乾燥や摩擦だけでなく、膣炎、外陰炎、子宮頸管炎などが関係していることがあります。毎回痛む場合は体質と決めつけず、原因を確認することが大切です。
おりものの増加・悪臭・黄緑色のおりものがある
おりものが増えた、においが強い、黄緑色のおりものが出る場合は、細菌性膣症、トリコモナス、クラミジア、淋菌などが隠れていることがあります。痛みを伴う場合は、早めに検査を受けましょう。
不正出血や下腹部痛がある
性交後の痛みに加えて、不正出血や下腹部痛がある場合は、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患など、奥の炎症が関係している可能性があります。放置すると悪化することもあるため、早めの受診が必要です。
パートナーに性病が判明した
パートナーに性感染症が判明した場合、自分に症状がなくても感染している可能性があります。女性は症状が軽い、または無症状のことも多いため、痛みの有無にかかわらず検査を受けることが大切です。
性交後に膣が痛いときに自分でできる対処法
性交後に膣の痛みがある間は、まず性交を控えて粘膜への刺激を避けることが大切です。痛みがある状態で性交を続けると、摩擦によって炎症や小さな傷が悪化し、ヒリヒリ感や出血につながることがあります。また、痛みの原因が性感染症の場合、パートナーへ感染を広げる可能性もあります。さらに、外陰部は強く洗いすぎず、低刺激の洗浄にとどめ、石鹸やビデの使いすぎにも注意しましょう。市販薬を自己判断で使うと、症状が一時的に隠れて原因が分かりにくくなる場合があります。
症状がいつから出たか、痛みの場所、性交後どれくらい続くか、おりものの色・量・におい、不正出血や下腹部痛の有無を記録しておくと、受診時に原因を判断しやすくなります。痛みが数日続く、性交のたびに繰り返す、おりものの異常や出血がある場合は、自己判断で様子を見すぎず検査を受けましょう。クラミジアや淋菌などの性感染症は症状が軽いことも多いため、不安がある場合は早めに性感染症検査を受けることが安心につながります。
放置するとどうなる?考えられるリスク
炎症が悪化する可能性
性交後の膣の痛みを放置すると、膣炎や外陰炎などの炎症が長引いたり、悪化したりすることがあります。自己判断で様子を見すぎると原因が分かりにくくなることもあるため、症状が続く場合は早めに確認することが大切です。
パートナーへ感染を広げる可能性
痛みの原因がクラミジア・淋菌・トリコモナスなどの性感染症だった場合、症状が軽くても性交によってパートナーへ感染を広げる可能性があります。また、パートナーが無症状のまま感染していると、治療後に再び感染する「ピンポン感染」が起こることもあります。性感染症が疑われる場合は、自分だけでなくパートナーも検査・治療を検討することが重要です。
クラミジア・淋菌では不妊リスクにつながることも
クラミジアや淋菌を放置すると、感染が子宮頸管から子宮・卵管へ広がり、骨盤内炎症性疾患(PID)を起こすことがあります。炎症によって卵管が傷ついたり詰まったりすると、将来的に不妊や異所性妊娠のリスクにつながる可能性があります。女性では無症状のことも多いため、性交後の痛みやおりものの変化がある場合は早めの検査が大切です。
当院でできる検査・相談
当院では性交後の痛み・違和感がある方の検査に対応しています。この記事で取り上げた項目は全て検査可能です。クラミジアと淋菌については即日迅速PCR検査が可能です。
また、当院は
- 匿名での検査可能
- 即日結果対応(クラミジア・淋菌OK)
- 五反田駅から徒歩2分
- 13-21時まで診療
- Webで結果確認可能
といった忙しい人でも利用しやすいクリニックとなっています。


性行為後の痛みに関するよくある質問
まとめ|性交後の膣の痛みが続くときは早めに検査を
紹介してきましたように、性行為後に膣が痛い時は行為が激しかった以外にも原因があります。痛みが続いていたり行為の際に少しの刺激で痛みを覚えるようなら一度当院にご相談ください。
▪️ 参考文献
1)日本性感染症学会 編. 性感染症 診断・治療ガイドライン2026.
2)Workowski KA, Bachmann LH, Chan PA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1-187.
3)Centers for Disease Control and Prevention. Pelvic Inflammatory Disease (PID) – STI Treatment Guidelines.
4)American College of Obstetricians and Gynecologists. Chlamydia, Gonorrhea, and Syphilis.




