男性のクラミジア症状とは?尿道の違和感・分泌物・無症状のケースと検査時期を医師が解説

男性のクラミジアは、尿道のムズムズ感・かゆみ・排尿時の痛み・透明〜白っぽい分泌物などで気づくことがあります。一方で、症状が軽かったり、まったく症状が出なかったりすることも少なくありません。
特にクラミジアは、強い痛みや膿が出る淋菌感染症と比べて、症状がはっきりしないまま進むことがあります。そのため、「少し違和感があるだけ」「一時的に治まったから大丈夫」と自己判断してしまうと、感染に気づかないままパートナーへうつしてしまう可能性があります。
この記事では、男性のクラミジアでよくある症状、症状が出る時期、似た症状が出る病気、検査のタイミング、治療やパートナー対応についてわかりやすく解説します。尿道の違和感や不安な行為がある方は、検査を考える目安として参考にしてください。

男性のクラミジアは症状が
出ないことも多い
男性のクラミジアは、感染してもはっきりした症状が出ないことがあります。症状がある場合でも、尿道のムズムズ感・軽いかゆみ・排尿時のしみる感じ・透明〜白っぽい分泌物など、最初は軽い違和感だけのことも少なくありません。
そのため、「痛みが強くないから大丈夫」「膿が出ていないから性病ではない」とは言い切れません。特にクラミジアは、淋菌感染症のように強い排尿痛や黄色い膿が出るとは限らず、気づかないまま感染が続くことがあります。
男性のクラミジアでよくある症状

尿道のムズムズ・かゆみ・違和感
クラミジアが尿道の粘膜に感染すると、尿道に軽い炎症が起こり、ムズムズ感・かゆみ・違和感として出ることがあります。強い痛みではなく、「なんとなく尿道が気になる」「先端がむずがゆい」といった軽い症状だけのこともあります。症状が弱いからといって、感染していないとは言い切れません。
排尿時の痛み・しみる感じ
尿道に炎症がある状態で尿が通ると、排尿時にしみる・ヒリヒリする・軽く痛むように感じることがあります。クラミジアでは、淋菌感染症ほど強い痛みにならないことも多く、「少ししみる程度」で済む場合もあります。排尿時の違和感が続く場合は、尿道炎のサインとして注意が必要です。

トラブルの原因と対処法 尿道が痛い、かゆい、膿が出るといったトラブルは、尿道に異常や炎症が起きているサインとして現れることがあります。原因はさまざまで、性感染症のほか、細菌感染や刺…
透明〜白っぽい分泌物が出る
クラミジアによる尿道炎では、尿道から透明〜白っぽい分泌物が出ることがあります。炎症によって尿道の粘膜から分泌液が増えるためです。量は少ないことも多く、朝起きたときに下着に少し付く、尿道口が湿っている程度で気づくこともあります。黄色い膿が出ないから大丈夫とは限りません。
睾丸・精巣上体の痛みや腫れ
クラミジアを放置すると、尿道から奥へ感染が広がり、精巣上体に炎症が起こることがあります。これを精巣上体炎といい、睾丸の痛み・腫れ・重だるさとして現れることがあります。片側だけ痛むこともあり、歩くと響く、触ると痛いと感じる場合もあります。尿道症状と一緒に出る場合は注意が必要です。
精巣上体の場所

下腹部や会陰部の違和感
クラミジアによる炎症が尿道周辺や前立腺周囲に影響すると、下腹部や会陰部に違和感・重だるさ・不快感が出ることがあります。はっきりした痛みではなく、「股の奥が重い」「下腹部が気になる」といった曖昧な症状になることもあります。尿道症状が軽くても、関連して起こる場合があります。
症状が軽い、またはまったくない場合もある
男性のクラミジアは、感染しても症状が軽い、またはまったく出ないことも稀ではありません。クラミジアは炎症が比較的ゆっくり進むことがあり、強い痛みや膿が出ないまま感染が続くこともあります。そのため、自覚症状だけで判断するのは危険です。症状がなくても、パートナーへ感染させる可能性があります。
当院でよくあるクラミジアの
相談パターン
相談例01|クラミジア
20代男性
数日前から尿道の違和感があり、「痛いというほどではないが、ムズムズする感じが続く」とのことで来院されたケースです。排尿時の強い痛みや膿はなく、最初は様子を見ていたものの、性行為後から症状が出ていることが気になり相談されました。
診察では、尿道炎の症状が軽度であってもクラミジア感染の可能性があるため、クラミジア・淋菌の検査を行いました。結果として、クラミジアの感染が確認されました。クラミジアは、強い痛みや黄色い膿が出ないことも多く、「少し違和感があるだけ」で見つかることがあります。軽い症状でも、性行為後に尿道の違和感が続く場合は検査で確認することが大切です。
相談例02|クラミジア・淋菌
30代男性
症状は特にありませんでしたが、パートナーが性病検査で陽性だったため、「自分も感染していないか確認したい」と来院されたケースです。尿道の痛み・かゆみ・分泌物などはなく、排尿時の違和感もありませんでした。
診察では、クラミジアや淋菌は症状がないまま感染していることがあるため、尿検査でクラミジア・淋菌を確認しました。結果として、クラミジアと淋菌の両方の感染が確認されました。性病は、症状がないからといって感染していないとは限りません。特にパートナーが陽性だった場合や、不安な性行為があった場合は、自覚症状がなくても検査を受けることが重要です。
男性クラミジアの症状は
いつから出る?
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 潜伏期間 | 1〜3週間前後 |
| 早い場合 | 数日で違和感が出ることもある |
| よくある初期症状 | 尿道の違和感、排尿時のしみる感じ、透明〜白っぽい分泌物 |
| 無症状の場合 | 感染していても症状が出ないことがある |
| 注意点 | 症状が出た時期だけで感染日を特定するのは難しい |
男性のクラミジアは、感染してから1〜3週間前後で尿道の違和感・排尿時のしみる感じ・分泌物などが出ることがあります。ただし、症状の出方には個人差があり、数日で違和感を覚える人もいれば、感染していてもまったく症状が出ない人もいます。クラミジアは症状が軽いまま進むことも多く、「いつ症状が出たか」だけで感染した日を正確に特定するのは難しいです。不安な性行為があった場合は、症状の有無にかかわらず、検査時期を見て確認することが大切です。
なぜ「1〜3週間」という潜伏期間になるのか
クラミジアの潜伏期間がこのレンジに収まるのは、単純に「菌が増えるのに時間がかかるから」ではありません。
クラミジアという病原体の“特殊な生き方”が関係しています。
クラミジアは細胞の中でしか増えられない
クラミジア(Chlamydia trachomatis)は、一般的な細菌と違い単独では増殖できず、人の細胞の中に侵入して初めて増えるという特徴があります。
- 粘膜(尿道など)に侵入
- 上皮細胞の中に入り込む
- 細胞の中でゆっくり増殖
- 細胞を壊して外に出る → 周囲に拡がる
免疫反応が遅れて立ち上がる
症状の正体は、菌そのものではなく体の免疫反応(炎症)です。
クラミジアは細胞の中に隠れ、毒素を大量に出すわけでもなく、比較的おとなしくじわじわと増殖していきます。そのため、体が「異常」と認識して炎症を起こすまでに時間がかかるのです。
- 菌の増殖
- 免疫の認識
- 炎症の発現
この3段階が揃うまでに1〜3週間程度かかるというわけです。
症状が軽い or 出ない理由もここにある
同じ理由で、クラミジアは症状が弱い(軽い違和感程度)もしくは無症状のまま進行することも少なくありません。特に男性では約半数が無症状とも言われており、これが世間一般で言われる「クラミジアは無症状のことが多い」理由となります。

クラミジアと似た症状が出る性病・疾患
尿道の違和感・排尿時の痛み・分泌物などは、クラミジアだけでなく、淋菌感染症やマイコプラズマ・ウレアプラズマ、亀頭包皮炎、前立腺炎などでも起こることがあります。症状だけで原因を正確に見分けるのは難しいですが、経過や症状の部位から疑いを持つことは可能です。
| 潜伏期間・発症までの目安 | 主な症状 | 治療法 | |
|---|---|---|---|
| クラミジア感染症 | 1〜3週間前後 | 尿道のムズムズ感、かゆみ、排尿時のしみる感じ、透明〜白っぽい分泌物。症状が軽いことも多いです。 | ジスロマック・ドキシサイクリン内服 |
| 淋菌感染症 | 2〜7日前後 | 強い排尿痛、尿道から黄色〜白色の膿、尿道口の赤みや腫れ。クラミジアより症状が強いことがあります。 | セフトリアキソン点滴 |
| マイコプラズマ・ウレアプラズマ | 1〜5週間前後 | 尿道の違和感、軽い排尿痛、かゆみ、分泌物など。クラミジアに似た尿道炎症状が出ることがあります。 | 抗菌薬内服(難治例あり) |
| 亀頭包皮炎 | 数日で出ることあり | 亀頭や包皮の赤み、かゆみ、痛み、ただれ、白いカス、におい。尿道の奥よりも皮膚表面の症状が中心です。 | 抗菌薬・抗真菌薬・外用薬など |
| 前立腺炎 | 急性では数日以内に強い症状が出る | 会陰部の違和感、下腹部の重だるさ、排尿時の不快感、頻尿、残尿感、発熱を伴うこともあります。 | 抗菌薬、消炎鎮痛薬、生活指導など |
淋菌感染症
淋菌という細菌が性器もしくは咽頭粘膜に感染することによる性感染症です。男性では尿道炎として発症することが多く、強い排尿痛や黄色〜白色の膿が出ることがあります。クラミジアより症状が急に強く出やすいのが特徴です。

マイコプラズマ・ウレアプラズマ
マイコプラズマやウレアプラズマという細菌が尿道に感染し、尿道炎を起こすことがあります。クラミジアや淋菌が陰性でも、尿道の違和感・軽い痛み・分泌物が続く場合に原因となることがあります。特にマイコプラズマ・ジェニタリウムという菌種は病原性の高い尿道炎起因菌として知られています。

亀頭包皮炎
亀頭や包皮に炎症が起きる病気です。細菌・カンジダ・蒸れ・摩擦・洗いすぎなどが原因になり、赤み・かゆみ・痛み・ただれ・白いカスなどが出ます。尿道の奥ではなく、皮膚表面の症状が中心です。
前立腺炎
前立腺に炎症が起きる病気です。細菌感染や慢性的な炎症により、会陰部の違和感、下腹部の重だるさ、頻尿、残尿感、排尿時の不快感などが続くことがあります。急性では発熱を伴うこともあります。
男性のクラミジアを放置するリスク

症状が自然に軽くなっても感染が残る
男性のクラミジアは、尿道の違和感や排尿時のしみる感じ、分泌物などが一時的に軽くなることがあります。しかし、症状が落ち着いたからといって、クラミジアが自然に治った訳ではありません。体内に感染が残ったまま経過すると、知らないうちに炎症が続いたり、再び症状が出たりすることがあります。
パートナーへ感染を広げる可能性
クラミジアは症状が軽い、またはまったくない状態でも、性行為を通じてパートナーへ感染する可能性があります。自分では治ったつもりでも感染が残っていると、相手にうつしてしまい、さらに相手から再び感染(ピンポン感染)することもあります。
精巣上体炎などにつながることがある
男性のクラミジアを放置すると、尿道の感染が奥へ広がり、精巣上体炎を起こすことがあります。精巣上体炎では、陰嚢や睾丸の痛み、腫れ、熱感、違和感などが出ることがあり、片側だけに症状が出る場合もあります。頻度は高くないものの、強い痛みを伴うこともあるため、睾丸の痛みや腫れがある場合は早めの受診が必要です。
再感染を繰り返すリスク
クラミジアは一度治療しても、免疫がついて二度とかからなくなる病気ではありません。パートナーが未治療のままだったり、新たに感染している相手と性行為をしたりすると、再感染を繰り返すことがあります。再感染を防ぐには、本人の治療だけでなく、パートナーの検査・治療、治療完了までの性行為の回避、必要に応じた陰性確認検査が重要です。
男性クラミジアの検査は
いつ受ければいい?
クラミジアの検査は感染機会の直後(数時間後)では、検査でも陽性を拾うことが難しいです。症状がある場合やパートナーが陽性とでた場合は自分に症状がなくても検査を受けるようにしましょう。
心配な場合:不安な行為から24時間〜数日以降で検査
症状がある場合:早めに検査を受ける
パートナーが陽性:症状がなくても検査
咽頭感染が心配な場合は喉の検査も必要
クラミジアはディープキスやクンニといったプレイで女性から男性の咽頭へ感染する場合があります。咽頭クラミジアの症状は「喉の違和感程度」に留まることが多く、風邪と見分けがつかないことも多いです。自身の症状やプレイ内容に併せて咽頭検査(うがい液)も検討しましょう。

クラミジアを予防する方法
クラミジアは、性器同士の接触だけでなく、オーラルセックスによって咽頭や性器に感染することがあります。症状が軽い、または無症状のまま経過することも多いため、「症状がないから大丈夫」と判断しないことが大切です。クラミジア感染を予防するには以下のことに気を付けてください。
- コンドームを正しく使用する
- オーラルセックス時もコンドームを使う
- 不特定多数との性行為では特に注意する
- 自分に尿道の違和感・分泌物・排尿時痛があるときは性行為を控える
- 性行為の相手が変わったタイミングで検査を受ける
- 症状がなくても定期的に性病検査を受ける
- 陽性だった場合はパートナーも検査・治療を受ける
- 治療中や治療直後は、医師の指示があるまで性行為を控える
ドキシペップによる性感染症予防

性病予防薬「ドキシペップ」の服用で、クラミジアは約88%、梅毒は約87%、淋菌は約55%、感染確率を減らす事ができるというデータが公表されています。
当院でも性感染症専門のクリニックとしてドキシペップの処方を行っています。感染者の多いクラミジアへの感染予防効果も報告されている今注目の予防医療です。性行為後72時間以内にお薬を2錠飲む予防方法です。詳しくは以下をご覧ください。

男性クラミジアの検査方法

男性クラミジアは尿検査で調べます。健康診断とは違い、出始めの尿を採取し、クラミジアが存在するかを検査します。
ガイドラインでも推奨される代表的な検査方法はNAAT(拡散増幅検査)です。当院はそのNAATの方法の1つであるPCR法で検査を行います。高い陽性的中率・陰性的中率を誇る信頼のおける検査方法です。
当院ではGeneXpertシステムを用いたリアルタイムPCR検査を院内で行うことができるため、即日で高い精度のクラミジア検査結果を知る事ができます。
東京検査クリニックではクラミジア・淋菌の即日迅速PCR検査に対応


当院では、クラミジア・淋菌の検査に迅速PCR検査機器(GeneXpertシステム)を導入しています。尿や分泌物などの検体から病原体の遺伝子を検出する検査で、一般的な外注検査よりも短時間で結果を確認しやすい点が特徴です。当院の場合は、90分程度で淋菌・クラミジア(性器・咽頭)の検査結果をお伝えする事が出来ます。
GeneXpert CT/NG Assayにおける陽性的中率・陰性的中率(※男性尿検体)
| 検査対象 | 感度 | 特異度 | 陽性的中率 | 陰性的中率 |
|---|---|---|---|---|
| クラミジア | 98.5% | 99.8% | 96.5% | 99.9% |
| 淋菌 | 98.3% | 99.9% | 97.5% | 99.9% |
陽性的中率・陰性的中率とは?
陽性的中率は「陽性と判定された人が実際に感染している割合」、陰性的中率は「陰性と判定された人が実際に感染していない割合」を示します。Xpert CT/NG Assayは、クラミジア・淋菌のDNAを検出するPCR検査であり、短時間で精度の高い結果確認が可能です。ただし、検査精度は検体の採取方法や感染からの経過時間にも影響されるため、症状や感染機会に応じて適切な時期に検査を受けることが大切です。


クラミジアの治療方法

抗菌薬で治療する
クラミジアはジスロマックもしくはドキシサイクリンという抗菌薬が標準治療とされます。服用の日数が異なったり、妊娠の疑いがある場合には使えないお薬があるなど、患者様の状況に応じて処方を選択していきます。

自己判断で薬を飲むのは避ける
海外からの輸入代行などで薬剤を購入する事は基本的に推奨されません。正規品でなかった場合、クラミジアが完治せずそのまま広めてしまうリスクがあります。安価な事が多いですが、医薬品に関して国内で流通している正規品を取り扱っている医療機関での処方を受けるようにしましょう。
治療後の性行為
治療完了から1週間は性行為を控えましょう。クラミジアは粘膜同士の接触で感染しますので、コンドームを着用しての性行為も万全な対策ではありません。
治療後も再感染に注意する
治療後の性行為再開するにあたって、治療終了後から3週間後に陰性確認検査を行う事が最も安心です。治療後早い段階で陰性確認検査をしてしまうと、クラミジアの死菌を拾ってしまって偽陽性となってしまうことがあります。
男性クラミジアで受診・検査を
考えた方がよいケース

以下の場合は、医療機関でクラミジア検査を行いましょう。
- 尿道の違和感・かゆみが続いている
- 排尿時に痛みやしみる感じがある
- 尿道から透明・白っぽい分泌物が出る
- パートナーがクラミジアと診断された
- 不安な性行為から数日以上たっている
- 症状はないが感染が心配
男性のクラミジアに関する
よくある質問
まとめ|男性のクラミジアは軽い症状でも検査で確認を
男性のクラミジアは、尿道の違和感や軽いかゆみ、排尿時のしみる感じなど、症状が軽く見逃されやすい感染症です。症状が自然に落ち着いても、感染が残っている場合があります。放置するとパートナーへの感染や精巣上体炎、再感染の原因になることもあります。不安な性行為があった場合や症状が続く場合は、自己判断せず検査で確認しましょう。
記事監修:島田航 泌尿器科専門医
2018年東京科学大学(旧東京医科歯科大学)医学部を卒業後、東京科学大学、JAとりで総合医療センター、土浦協同病院、神栖済生会病院にて泌尿器科を歴任。性感染症外来・泌尿器科外来に従事。
所属学会:日本泌尿器科学会/日本生殖医学会/日本泌尿器内視鏡ロボティクス学会/日本産業衛生学会
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